『サードカルチャーキッズ』
の翻訳者のお二人が、サードカルチャーキッズの母親としての日常的な視点と、
研究者としてのアカデミズムの観点、の2つの立場から
「サードカルチャーキッズの今!」をお届けします!
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日部八重子 |
みなさま、こんにちは。
『サードカルチャーキッズ』翻訳者の日部八重子です。
これから共訳の嘉納先生と交替でブログを書かせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
まず、現在の転勤に伴うバタバタ状態からお話ししていきたいと思います。
夫はいわゆる転勤族で、私たち家族はこれまで様々な国に住んできましたが、今、日本への転勤話が出ています。約10年ぶりの日本です。
日本から出た当時、夫は日本企業に勤めていましたが、転勤先のアメリカで同業他社のアメリカ企業に転職したので、今回はいわば「逆駐在」です。
そのため、ちょっとしたパニック状態のまっただ中にいるのです。
こんなにも慌てて子どもの学校選びなどをして、本当によいのだろうか、と。
転勤の話は以前から出ていたものの、その確度が高まってきたのはつい最近。
子供たちが夏休みを日本の祖父母・いとこの家で過ごしている最中でした。
子どもたちを迎えに行き、アメリカに連れて帰るはずの旅が、急きょ学校探しの旅になってしまいました。
日本に着いて早速、長男と一緒の学校訪問です。
まず一校目。その場ですぐにクラス分けのための学力測定テスト。
結果、長男の数学のレベルが一年遅れていることがわかり、(アメリカの学校は遅れているんですね)さらにアメリカの学校での成績が芳しくないこともあり、入学を断られてしまいました。
コーディネーターは「学習障害」があるのなら、そういう子どもを受け入れている学校も視野に入れたほうがいい、と助言してくれます。
そこで、すべての学校の願書に、成績表と共に、ずっとかかっているカウンセラーの手紙を付けることにしたのです。
それは「学校の成績がよくないという理由で親に連れてこられたが、各種テストの結果、すべての分野において問題なし」というものです。
ただ、願書に「今までに勉強面で問題があった」と書かなければならないので、それがはたして得策なのかどうか、悩むところです。
また、本人はインターナショナルスクールがいいと言っているのですが、数年でまたアメリカに戻ることを考えると、アメリカンスクールの方がいいのではないか、とも考えました。
ただ長男がアメリカ国籍を持っていないこともあってか、
アメリカンスクールではそっけなく「9年生(日本では中学3年生にあたり、アメリカでは高校入学の年)は定員いっぱい」と言われました。
昨今の日本人によるインターナショナルスクールブームで、日本人の私からの問い合わせメールはあまり重きをおかれなかったのかもしれません。
夫の名前と会社を出して、アメリカ永住者だということを返信したら、やや言葉が柔らかくなった感がありましたけれど…。
結局、アメリカンスクールも定員と成績を理由に断られてしまいました。
私も転勤に伴って、大学の日本語講師の仕事を辞めなければなりません。
ここニュージャージー・プリンストンに去年マイホームも購入したばかりで、しばらく落ちつこうと言っていたのに、またの移動です。
子どもたちは日本に行くことを喜んでいるのですが、今の時点で失うものが何かを自覚しているわけではないようです。
そんなこんなの状態で、心身共に揺れに揺れている今日このごろです。
次回のブログでは、その後の事の進展をご報告できるかと思いますが、今はとにかく、9月末の転勤に向けて、子どもたちがここでの生活に健全に区切りをつけ、新しい土地(長男は「帰国」だと思っていますが)での生活が順調にスタートできるよう、親としては最善の努力を尽くしていくだけです。