講師紹介  筒井千絵 フェリス女学院大学講師 『ここが大切文章表現のルール』著者

 

留学生への日本語作文指導は現場の教師にとって難しいところのひとつではないでしょうか。
今回から4回にわたり『ここが大切!留学生のための文章表現のルール』の著者、筒井千絵先生に作文指導のQ&Aとして連載をお願いしました。

第2回 本書の授業での具体的な使い方

―第3部第10課「書き言葉らしさ」を例に― 

この課の目的

学習者の文章には、「~とか~とか」「すごく」といったくだけた話し言葉の表現がしばしば見られます。しかし、こうした表現を書き言葉で使うと、読者に幼稚な印象を与えてしまいます。この問題の背景には、初級では主に話し言葉が導入され、中級以降でも話し言葉と書き言葉の使い分けを意識する機会が少ないという現実があります。

そこで、この課では、話し言葉と書き言葉を区別するトレーニングを集中的に行います。

 

授業の流れ

1. まず、「問題」を解いてみる

2. 「問題」の答え合わせをしながら、解説をする

3. 「話し言葉」「書き言葉」の差が出やすい品詞について確認する

4. 一文レベルの「練習」で理解の確認をする

5. 「発展」で力試しをする

6. 補足の練習案

 

1. まず、「問題」を解いてみる

課の冒頭の「問題」を、学習者にまず解いてもらいます。「問題」の文章の中には9つの「くだけた話し言葉」が含まれており、これを見つけ出して適切な表現に改めるのが課題です。この問題に取り組むことで、まず「話し言葉」と「書き言葉」についての気づきを促します。以下は問題文の一部です。

ダイエットのために朝ごはんを食べない人もいっぱいいるけど、あまりよい方法じゃないと思うよ。

答え いっぱい→たくさん けど→けれども/が じゃない→ではない 思うよ→思う