横浜デザイン学院日本語学科 主任 佐久間みのり

前回は、例文を使った会話の暗記テストを紹介しました。今回はその応用編をご紹介したいと思います。いくら会話の例文をたくさん覚えても、実生活で同じような場面に出会うことは少ないでしょう。学生が日常生活でも上手に話せるようになるには、授業で覚えた言葉を応用する力が必要だと思います。
まずは、自作のオリジナル教材や、絵教材と組み合わせるパターン。

(本冊33課 例文3)
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「ゴミを捨てるな」「お知らせ」などの書いた紙を貼っておいて、学生たちに考えさせましょう。
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学生:あそこに何と書いてあるんですか。
学生:「ゴミを捨てるな」と書いてあります。

(本冊42課 例文5)
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いろいろな道具を前に置いておいて、手に取らせて発表させましょう。
(たとえば、孫の手)
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学生:これは何に使うんですか。
学生:背中をかくのに使うんです。

(学生が分からない場合は教師に「これは何に使うんですか」と質問させてもいいです。)

(本冊42課 例文6)
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国の名前を相手の学生の国で言わせたり、葬式の絵を出して葬式について聞かせてもいいでしょう。
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学生:中国では結婚式をするのにどのくらいお金が必要ですか。
学生:200万円はいると思います。
学生:えっ、200万円も要るんですか。

(本冊42課 例文1)
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試験の絵、いろいろな行事の絵などを組み合わせて。
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学生:11月の留学試験のために、毎日勉強しています。
学生:そうですか。がんばってください。

答えるほうも、相手の言ったことにあわせて、「楽しみですね」「大変ですね」「がんばってください」「気をつけてください」など言わなければなりません。
そして学生の反応の様子を見ながら、できそうであれば難易度を上げた応用練習をします。教師が学生とペアになって、アドリブを入れるパターンです。例文を暗記させた後、ペアで発表させるのですが、各ペアが発表した後、教師側から学生を指名して、答えさせます。例えば、

(本冊43課 例文2)
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これを少し変えて、例えば今くらいの季節だったら・・・
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教師:○○さん、寒くなりましたね。
学生:…(その場で合った文を考えさせる)ええ、もうすぐ雪が降りそうですね。

(本冊43課 例文5)
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教師:飲み物が足りませんね。
学生:すみませんが、ちょっとコンビニで買ってきてください。

(本冊43課 例文4)
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教師:今度の先生、頭がよさそうだし、きれいですね。
学生:ええ。でも…

ここでどんな答えが返ってくるかは、ドキドキですね。

ここまでアドリブができるようになれば、実際の生活でも様々な場面で「みんなの日本語」で習った文型を使えることでしょう。学校での勉強、教科書を使った勉強はもちろん大事ですが、私たち日本で留学生に日本語を教える日本語教師としては、授業で習ったことを、日常生活の中で応用して、どんどん話して言って欲しいと思うものです。
例文は短いですが、アクションや気持ちをつけて言うこと、暗記して言うことに慣れてきたら、もっとおもしろい活動にもチャレンジできます。次回はその活動について紹介したいと思います。