大里秀介(『極めろ! TOEIC® L&R TEST 990点 リーディング特訓』著者)

0.はじめにTOEICリーディングセクション満点の道
リーディングセクションは、TOEIC® L&R TESTの中で、リスニングセクション終了後の後半75分で100問の問題に解答するものです。「時間内に全て解答出来なかった」というケースも多く、「満点の495点というのは夢のまた夢」という方もいるでしょう。また、「450点くらい取れてきたが、学習に対して、それ以上スコアが上がらない」という方もいらっしゃると思います。ここでは概ねリーディングセクションで460点以上、L&Rスコアトータルで950点を安定的に取れる方に向けたアドバイスとして、「リーディングセクションではどういう力が必要なのか」「力をつけるための本書を使った学習法(トレーニング)」について触れたいと思います。

1.リーディングで満点を取るために必要な力
リーディングセクションは、おおよそですが、100問中100問、もしくは99問正解する、つまり0~1問のミスにおさえることで495点を取ることが出来ます。まれに2問ミスでも取ることが出来るときもありますが、あまり多くはないので、まず「ミスしても1問」と考えましょう。その上では「〇問正解」という考えではなく、「基本全問正解、ミスしても1問」、これがスタンスです。

必要な要素としては、「出来るだけ早く正確に解く」というスピードに加え、「ミスしてはいけない」という緻密さが要求されます。その観点も含めて、以下の力を養うことをお勧めします。

(1)タイムマネジメント
タイムマネジメントに関しては「トータルスコア600点~900点くらいを目指す方にとっても、重要である」と、以前からことあるたびに言っています。しかしリーディングセクションで495点を取るためには1問もミス出来ません。つまり、一度解いた後に見直をして、「自分が選択したものに間違いなくマークしているか」を確認することで、最終的な緻密さを担保することが出来ます。そういう意味では、リーディングセクションで満点を取るタイムマネジメントとしては、「70分以内に100問解き、5分でマークの見直しをする」というようにしましょう。たとえばこんなイメージです。

【各セット数の解答目安時間】

Part-5: 9分 (=540秒:18秒/1セット問)以内
Part-6: 6分 (=360秒:90秒/1セット)以内
Part-7: 55分 (=3,300秒:約59秒/1問)以内
TOTAL: 70分 → 残った時間5分を見直しに回す。

※あくまでも目安ですので、自分の得意・不得意で配分を検討してください。

(2)無制限で全問正解出来る力を身に付ける。
「(1)タイムマネジメント」で、リーディングセクションで全問正解するための時間管理について触れましたが、上手く時間管理をしたからといって、肝心の「正解を選ぶこと」が出来ないとなると、到底満点を取ることは出来ません。そこで、それぞれの模試について「時間を無制限にして、確実に全問正解出来るか」を指標にして解く、トレーニングをしてみましょう。これをやると、「時間がないから読み飛ばしてしまった」「本来なら選べたが、時間がないから考えが及ばなかった」という問題がなくなり、自分の持っているガチの英語力で問題と対峙することが出来ます。指標としては、「他人に納得のいく解説が出来るか」を基準にするとよいでしょう。その上で、「そんなに時間をかけなくても正解出来る問題」は、得意問題として認識し、「迷いが生じた、時間があっても解答根拠を見つけることが出来なかったという問題」は、そもそもあなたが知識として持ち合わせていなかった、英語力が正解に至るまで及ばなかったという問題になりますので、そのジャンルを克服するための文法書やドリル等に取り組み、次に解いた時に納得のいく正解になることを指標として、解けるようにしましょう。重要なのは、「解答根拠を読んで、選択肢からそれが言い換えられた部分を見抜く力」「間違いの選択肢が、なぜ間違いだったかを説明する力」などの、解答するために必要な知識です。「単に解答を覚えたから」ではなく、他の人に「なぜ正解なの?」と尋ねられた場合に「それはこの問題はこうだから」と答えられるようになっておきましょう。

(3)正確性をもった解答スピード
(2)の作業が終了したら、その知識を(1)で紹介した時間内におさめる解答方法について検討してください。特に、「この問題は品詞問題。ということは、この空所は前置詞と前置詞に囲まれているから、空所には名詞が入る」といったような思考法に、30秒かけるのではなく、5秒~10秒になるように、「気づく→自分の知識を関連付ける→素早く解答する」という解答プロセスのスピードを上げるようにしてください。特に「問題のタイプ抽出~自分の知識と関連付けて解く」という一連の思考をトレーニングすることでPart-5を解くスピードが上がります。

2.本書を使った学習法について
上記を踏まえて、本書を使った学習法(トレーニング)について考えてみましょう。

(1)本書構成は1セットの模試+若干アレンジした2セットの模試で構成
本書は、それなりにレベルが高い問題を2セット200問収録し、その復習用にそれぞれの2セットに200問ずつ、計600問の問題が収録されています。類似問題だから、違う点だけ学べばいい、というわけではなく、しっかり復習を通じて解答プロセスの質を上げるねらいがあります。

(2)復習を通じて解答プロセス力を高めよう
1セット模試の復習1、2で前の問題の異なるところを学べます。そして復習2では選択肢を5つにし、正解が1つとは限らないように工夫しています。ですので、これが正解、不正解、というのは消去で解けないようにしているので、「なぜ正解になるのか」というプロセスを探ることで、とても力が付くようになっています。

(3)Part-7の選択肢照合型の問題に強くなる
特にPart-7では、”What is indicated(suggested, stated, true) about XX?というような問題は時間がかかります。その理由は、XXについて述べられている、示されていることを本文から探す必要があるため、本文を読んで、本文と合致する(正解)、本文に記載がない、本文の事実と異なる(不正解)を見分ける必要があるためです。そのためには、文書の内容を段落ごとにおおまかに理解して、それぞれの選択肢に対して、本文のどこに書かれた内容なのか探すことの出来る「検索力」を養う必要があります。

(4)高地トレーニングを積んで、本番で「ラクに解ける」レベルを目指そう
正直、5つの選択肢を選ぶ作業は、本番ではありませんし、これも正解なのか?と思うことがあるかもしれません。ただ、そういったより深く、幅のある知識を学ぶことで、本番の限られた時間で、あ、これはあの意味だ!というのに出会う可能性・確率が高まります。ですので、普段の学習で「ちょっとつらい」を体感し、本番ではしっかり設定した目標解答時間内で終了するようにすれば、リーディング満点が常連になるくらい力がついてくると思います。

リーディングで満点を取るのは簡単なことではありません。しかしながら、意識した学習を行うことで、取得することは可能だと考えています。いずれにしても学習者の志と、自分の弱点を見つけ・向き合う、というスタンスが重要です。本書を使って1人でも多くの990点取得を目指している方の夢がかなうことを心より願っております。

大里秀介先生のプロフィール
TOEIC® L&Rテスト990点満点30回以上取得/TOEIC® SWテスト ライティング200点満点取得。東北大学農学部応用生物化学科卒。入社以降英語とは無縁の会社員だったが、30歳を機に一念発起し独学で英語学習を開始。数年後にはTOEIC® L&Rテスト満点を取得。以降、北米駐在を経験し、英語関連の著作も多数。代表作に『3週間で攻略 TOEIC® L&Rテスト900点! 残り日数逆算シリーズ』(アルク)など。

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